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血液内科

完全紹介予約制

診療科からのお知らせ/コラム

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診療科紹介

 血液内科では、溶血性貧血、悪性貧血、鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血などの貧血、血小板減少症、血友病、急性あるいは慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍の検査・治療にあたります。スタッフの人数は少ないですが、常勤医は全員日本血液学会認定血液専門医です。また、看護師、薬剤師、理学療法士、社会福祉士とも連携しチーム医療を実践しています。当院では血液腫瘍患者さんに対するがんリハビリテーションが充実していることも特徴の一つです。

1.当科での治療

 造血器悪性腫瘍に関しては、基本的に日本血液学会発行造血器腫瘍ガイドライン最新版および米国National Comprehensive Cancer Network Guidelines を参考に、保険適応のある治療を患者さん毎に検討して最適と考えられるものを選択しています。悪性腫瘍以外の造血器疾患についても、ガイドラインのあるものはそれに沿った治療選択を行っています。

現在、当科で行っている代表的な疾患の治療方針について御紹介します。

 

  • 急性白血病/慢性白血病

 当院は、20234月に成人白血病治療共同研究機構(JALSG)に加入いたしました。JALSGは「多くの血液疾患で苦しむ人々を救う活動を推進する」という公益の観点から、質の高い多施設共同の臨床研究を推進するとともに、血液疾患に関する社会環境の改善に貢献することを理念とし活動している日本を代表するグループです(https://www.jalsg.jp/)。主に、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄性白血病(APL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)に対して臨床研究が組まれます。当科もALL-T19/B19研究への参加をしています。AMLAPLCMLへも今後順次参加予定です。臨床研究に参加するまでは、すでに論文等でその成績が既報告となっている過去の臨床研究でのプロトコールを参考に治療を行っています。また、ここ数年で保険承認されたbcl.-2阻害薬(ベネトクラクス)FLT-3.阻害薬(キザルチニブ、ギルテリチニブ)BiTE抗体(ブリナツモマブ)、抗CD22抗体(イノツズマブ)STAMP阻害薬(アシミニブ) 等の新薬も対象疾患に応じて使用しています。

  • 悪性リンパ腫

 悪性リンパ腫は、標準治療が変わりつつある領域です。非ホジキンリンパ腫(NHL)に対しては、ここ20年ほどはB細胞性NHLに対してリツキシマブ(RTX)、シクロフォスファミド(CPA)、ドキソルビシン(ADR)、ビンクリスチン(VCR)、プレドニゾロン(PSL)を用いたR-CHOP療法が、T細胞性NHLに対してはCHOP療法が標準療法として用いられてきました。しかし、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対して、抗CD79b抗体と微小管阻害剤を共有結合させた抗体薬物複合薬であるポラツズマブベドチン(Pola)VCRの代わりに用いたPola-R-CHP療法がR-CHOP療法と同等以上の治療成績であることが報告され、ここ1年程で標準治療となりつつあります。再発DLBCLに対してもPolaとベンダムスチン、リツキシマブを用いたPola-BRが使われるようになっています。また再発T細胞性NHLにも数種類の新薬が開発され、治療選択肢が広がっています。ホジキンリンパ腫(HL)に対しては、標準治療であったドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジンを用いたABVD療法のブレオマイシンの代わりに抗CD30抗体と微小管阻害薬を共有結合させた抗体薬物複合薬であるブレンツキシマブベドチンを用いたA-AVD療法が標準治療となりつつあります。また、再発HLに対しては、免疫チェックポイント阻害薬も使用します。

多発性骨髄腫 

  多発性骨髄腫は、この20年間で最も多くの新規薬剤が発売された血液腫瘍領域です。現在、概ね65歳以下に対しては、ボルテゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンを組み合わせたBRd療法で初期治療を行った後に自家造血幹細胞移植(ASCT)を行っています。また、ASCTが困難と考えられる患者さんには、初期治療から抗CD38抗体であるダラツムマブを併用した三剤ないし四剤併用療法を行っています。多発性骨髄腫は症例毎に併発臓器障害が多彩であるため、一人一人の臓器機能に合わせ安全に行える治療を選択しています。

 

 

2.当院で行えない治療

 当院では、同種造血幹細胞移植(allo-SCT)CAR-T(遺伝子改変キメラ抗原受容体T細胞)療法は出来ません。そのため、allo-SCTが必要な症例は、神奈川県内であれば神奈川県立がんセンターや横浜市立大学附属病院、東海大学附属病院、虎の門病院分院など、allo-SCTを数多く経験されている施設へ紹介しています。また、CAR-T療法は神奈川県内では横浜市立大学附属病院が唯一の実施施設となっています。

紹介先の施設は患者さんの居住地域や希望なども伺って、決定しています。

 

  1. 3.当科を受診される患者さまへ

 当院は紹介予約制となっております。かかりつけの先生からの紹介状を頂いてください。外来予約はかかりつけの先生からとっていただくか、患者さまご自身からとっていただくことも出来ます。その場合は予約センター受付へお電話ください。電話番号は045-474-8822(平日8151700)です。

 

  1. 4.当科へ患者さまをご紹介いただくご施設のみなさまへ

  2.  紹介枠が込み合っておりお待たせすることが多く、大変申し訳ありません。緊急性があるとご判断されるような場合には、直接血液内科へお電話を頂けますと受診日調整が可能です。また、診療情報提供書に貴院での検査結果を同封していただきますとスムーズな診療へつながりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

スタッフ紹介

  • 副院長 内科部長 

    平澤 晃/ ひらさわ あきら

    卒業年次 昭和60年
    専門分野 内科学、血液病学、輸血学、感染制御

    学会専門医・認定医:

    日本内科学会認定総合内科専門医・指導医、日本血液学会認定血液専門医・指導医、日本輸血・細胞治療学会認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、インフェクションコントロールドクター(日本感染症学会)、日本医師会認定産業医、千葉大学医学部臨床教授

  • 臨床検査科部長 輸血部長

    佐藤 忠嗣/ さとう ただつぐ

    卒業年次 昭和60年
    専門分野 内科学、血液病学、輸血学

    学会専門医・認定医:

    日本内科学会認定総合内科専門医・指導医、日本血液学会認定血液専門医・指導医、日本輸血・細胞治療学会認定医

  • 血液内科部長

    山﨑 悦子/ やまざき えつこ

    専門分野 血液病学、検査血液学、臨床検査学

    学会専門医・認定医:

    日本内科学会認定総合専門医・指導医、日本血液学会認定血液専門医・指導医、日本臨床検査医学会認定検査専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本造血・免疫細胞療法学会認定医

  • 血液内科副部長

    大八木 秀明/ おおやぎ ひであき

    卒業年次 平成15年
    専門分野 内科学、血液病学、リウマチ・膠原病

    学会専門医・認定医:

    日本内科学会認定総合内科専門医・指導医、日本血液学会認定血液専門医・指導医、日本リウマチ学会専門医

  • 医師

    大嵜 太郎/ おおさき たろう

    卒業年次 令和2年

外来担当医表

診察時間
午前/新患 ○平澤 ★山﨑 ☆大八木  大嵜
午前/再来 ○平澤 ★佐藤 ★佐藤  ★山﨑 〇平澤 ★佐藤 ★山﨑  ☆大八木   ☆大八木 大嵜

(注) ○印 : 副院長 ★印 : 部長 ☆印 : 副部長

受付時間 8:15 ~ 11:00(予約の方は、予約時間に合わせて受付いたします)
※新患は事前予約と紹介状が必要です。
紹介患者さんについては、病状・疾患により緊急を要することもあります。その際には、直接診療科にお電話をいただき、受診日を調整することも可能です。
なお、医師数が少なく、状況により止むを得ず、他院受診をお願いすることもあることを、ご容赦ください。

診療実績

項目 患者数
平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年
入院患者(実患者数) 191 178 243 260 242
疾患別入院患者数
急性白血病 37 31 35 69 31
骨髄異形成症候群 14 17 8 8 11
悪性リンパ腫 92 90 152 144 129
多発性骨髄腫 24 20 22 18 17
再生不良性貧血 2 0 4

0

2

特発性血小板減少性紫斑病 10 7 3 5 3
その他 12 13 19 16 49

施設認定

    • 無菌室12床(個室型4床・4人室型8床)