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メール相談から学ぶコロナ感染拡大時におけるメンタルヘルス(第10回)2020年8月21日

病院からのお知らせ

勤労者メンタルヘルスセンター長  山本晴義

事例⑩ 生きていることが無駄なように思えます。

(相談者 男性 60代 無職)

【相談メール】

退職して数年経ちます。妻子はいません。ひとり暮らしです。特に楽しみもなく、何のために生きているのだろうかと思うようになりました。新型コロナウイルスの影響で社会は大変なことになっていますが、寄付をするほどの余裕もなく、社会のお荷物になっているだけです。私のような者が生きていること自体、無駄なように思えてなりません。

【回答メール】
 
お悩みのご様子、伝わってきます。生きる意味、生きがいというのは、それこそ一生のテーマとなるものです。
人の生きがいとは何かを追求した「夜と霧」という名著をご存じでしょうか?著者は、強制収容所から奇跡的な生還を果たしたユダヤ人のヴィクトール・フランクルです。彼は「人生はどんな状況でも意味がある」と説いています。
本の要点は3つです。

① 人は極限状態に陥ると、自己防衛のために感情を消滅させてしまう。しかし自然や芸術、ユーモアに触れ、内面を豊かにすることで、正常な精神状態を保つことはできる。
② 人は環境によってすべてを決定されてしまうわけではない。どんな状況にあっても、その状況に対してどのように振る舞うかという自由がある。
③ 「生きる意味」とは、生きることが我々から何を期待しているか、未来で我々を待っているものは何かを知り、その義務を果たすことで生まれる。

フランクルは、収容所での出来事を通して、「生きる意味」を学び取ろうと決め、絶望の中で見つけた希望こそ、生きる意味だと考えました。自分では変えることのできない出来事に、その人がどのような態度を取るかによって「生きる意味」が見いだせるのです。
あなたの場合、ひとり暮らし、新型コロナウイルスの影響など、将来に希望がもてない状況かもしれません。しかし、困難な状況に立たされた今こそ、あなたの「生きる意味」を見出すチャンスなのです。

【対応のポイント】

「何のために生きているのか」。新型コロナウイルスが蔓延するずっと前から、メール相談に多く寄せられる悩みの1つです。正解のない問いであり、その人その人の「生きる意味」があるはずです。そんな時、今回のように、偉大な精神科医や心理学者の言葉を紹介することがあります。偉人と言われる方々も、悩み苦しみながら自分なりの答えを見いだしていったのです。回答者としては、答えを授けるのではなく、決して一人ではないと示したり、考えるための材料を提供したりすることで、相談者が自分自身の力で解決するための後押しをしたいという思いがあります。

※ 実際に送られてきた相談メールを参考に、相談者のプライバシーを考慮して作成しています。

勤労者こころのメール相談(mental-tel@yokohamah.johas.go.jp)

勤労者メンタルヘルスセンター山本晴義センター長(心療内科医)が自らお答えするメール相談です。年中無休の24時間、無料でお受けしており、24時間以内にご返信いたします。

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登録日:2020年08月21日

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